第三回帰福
ただいま絶賛帰省中である。
都会の喧騒から逃げるように、クソみたいな田舎に帰るのだ。嬉しい。
上野駅のニューデイズに入った時、氷結を買っているサラリーマンがいた。めっちゃいいじゃん!!と思った。
夏と氷結のカップリングが素晴らしいのかもしれないし、単純に私が何を見ても“いいじゃん!!”としか反応しないからかもしれない。
私も!と思って酪王カフェオレを買った。馬鹿である。私はこれから酪王カフェオレタウンに帰るのに。
酪王カフェオレを眺める。
夜7時半、光り輝くパチンコ屋。
この電車の車掌さんはなかなかに癖がある喋り方をする。
所々息を吐くのだけれど、それがだるそうと言うより笑って吹き出しそうなのをこらえているように聞こえる。
超ウケると思っていたら、隣の痰が絡まり気味なおばちゃんに“この人ダメね”と言われていた。どっちもどっちだと思った。
想いが溢れたらどうやって
どんなきっかけタイミングで…
back numberは今日も愛を歌っている。
この人の人生も大変だなと思う。
大抵、片思い中で告白のタイミングを伺っているか振られて落ち込んでいる。
幸せになってくれ。
彼はきっと心の中に全肯定のハム太郎が必要なのだ。自己肯定してくれ。
もうすぐ九月になる。
たぶん死ぬほど楽しくて、それを全力で楽しんでしまって、もしかしたら死んでしまうかもしれない。
さすがに模型はまだ作り始めないだろう。そうすると、私は学校にただ可愛い子を眺めに行けばいいのだ。なんと素晴らしいことか。
そして今思ったのは、たぶんまだ九月は先だということで、まあどうでもいいか。
水戸を過ぎた。
他の人は知らないけど、私は地元が好きだ。
笑っちゃうようなど田舎でも、ふるさとっぽくていいじゃないかと思う。
さすがにうさぎを追いかけたことは一度しかないし、小鮒釣りをして遊ぶような渋めの小学生でもなかったけれど、山はあおいし水は清い。
今は向かいの幼馴染がピンクの車に乗って週二で小名浜のイオンに行っているらしい。立派に育ったもんだ。
back numberが珍しく幸せそうな歌を歌っている。それをマイヘアが崩していく。
試しにYouTubeで故郷(ふるさと)を聞いてみた。私にはまだ早かった。
まだまだ四倉は遠い。しかしネタが尽きた。
最後に一つ言っておきたい。
いわき駅の電光掲示板、あれはたぶん私の受験の真っ最中に新しくなった。色が濃くなった。絶対だ。
以上である。